高校受験はほぼ100%の子どもたちが経験する、人生でも非常に重要な意味を持つイベントです。
中学受験をしていないケースでは「初めての受験」であることも珍しくなく、「どんな風に勉強をすれば良いのかわからない」と悩んでしまうのも無理はありません。
そこでこの記事では、「高校受験の勉強法」というテーマについて、現役講師の目線で解説していきます。
教科別の勉強法や理想的な年間スケジュール、さらにはOK/NG勉強法を知って、高校受験対策を効果的に進めていきましょう。
現役のオンライン家庭教師として毎日、世界中の子どもたちに勉強を教えています。現役講師だからこそ伝えられる、正確な情報をわかりやすくお伝えします!
【結論】「基礎から着実に」が正解。難しく考えすぎない。
筆者は日々、世界中の子どもたち、そして保護者とコミュニケーションを取っていますが、多くの方が「受験に関する不安」を抱えています。
その中でも、特に大きいのが「何をすれば良いのかわからない」というお悩みです。
事実として、過去にベネッセが行ったアンケート調査によれば、高校受験に不安を抱えている子どもの実に60%以上が、
何を勉強すればいいのかわからない
ということに不安を抱えていることがわかっています。
しかし、心配する必要はありません。
高校受験の勉強法は特別な対策はほとんど不要で、「基礎から着実に」ということだけを意識し、徹底するだけでしっかりと対策できます。
難しく考えすぎると「時間とお金の無駄遣い」になる可能性が…
しかし、世の中の多くの受験生、および保護者は、高校受験を難しく考えすぎているように感じます。
その理由はズバリ、「受験ビジネスに不安を煽られているから」です。彼らはありとあらゆる角度から、
高校受験は〇〇しないと乗り切れない!
といった形で、「塾や家庭教師を使うことが唯一の対策方法」のような印象を持たせ、集客をしています。
これを間に受け、高校受験を難しく考えすぎてしまうと、「時間とお金の無駄遣い」になる可能性が高いです。
高校受験の入試問題は「定期テストと同レベル」
皆さんは、高校受験の入試問題と聞くと、どのようなイメージを持つでしょうか?
すごく難しそうで自分(の子ども)では点数が取れない
このように感じる方もいると思いますが、実はそんなことはありません。
特に、全国で最も多くの受験生が受験する、都道府県立の高校入試問題は「定期テストと同レベル」と言っても良いくらいなんです。
参考として、東京都の実際の入試問題を下記に掲載します。
こちらは大問1の問題となりますが、その中の「問1」を見てください。
非常に簡単な四則演算、つまり足し算、引き算、掛け算、割り算の問題となっており、これを解くだけで4点〜6点の点数が与えられます。
そして、「問2」は分数の文字式の計算となっており、これも1時間程度対策をすれば簡単に誰でも解ける問題。
つまり、この問1と問2の2問に正解するだけで、8点〜12点、獲得できてしまうんです。
また、各都道府県の入試問題は「平均点が60点」になるように作られることが多いですが、学校の定期テストも平均が60点前後のテストであることが一般的。
つまり、学校の定期テストも、入試問題も、どちらも平均が60点になるということは、「難易度が同じくらい」であることの裏返しです。
以上より、「高校入試」だからといって、何か特別な対策が必要であるわけではないことが理解できたと思います。
まずは高校受験そのものについて「正しく理解」しよう
このように、世間で言われているほど、高校受験の難易度は高くありません。
誤解をせず、無駄なお金や時間を費やさないためにも、まずは「高校受験そのもの」について正しく理解を深めることが必要かもしれません。
高校受験について正確に知ってから、改めて勉強法について知った方が、具体的にイメージがしやすいからです。
もし、「高校受験について正直よくわからない」ということであれば、下記の記事も参考になるはずです。
現役講師目線で、高校受験の概要について解説をしています。
高校受験の勉強法を「教科」「年間スケジュール」の2つの観点で解説
ここからは、この記事のメインテーマである「高校受験の勉強法」について解説をしていきます。
わかりやすく、「教科」「年間スケジュール」の2つの観点にわけて解説を進めていくので、両者ともにしっかりと確認をしておきましょう。
合格につながる教科別の効果的な勉強法
まずは「教科別の効果的な勉強方法」から解説をしていきます。
それぞれの方に得意科目、苦手科目があると思いますが、気になる科目の部分から目を通していきましょう。
なお、ここではわかりやすいように、下記の優先順位で解説を進めていきます。
- 英語
- 数学
- 国語
- 理科
- 社会
このような優先順位になる理由は、一言にまとめれば「対策にかかる時間」です。
なぜ、英語の対策に時間がかかって、社会の対策に時間がかからないのかなど、細かい部分については各科目の解説部分でわかりやすく扱っていきます。
英語
英語の勉強方法 | |
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科目の特徴 |
・5教科屈指の「積み重ね型」科目 ・一度のつまづきが致命的な影響に |
勉強法の要点 |
・学校の授業にしっかりとついていく ・中1、中2の復習を「最速で」進める |
勉強法の注意点 |
・後回しにすると軌道修正が困難 ・単語、文法、長文読解の順に進める |
はじめに、優先順位が最も高い「英語」の勉強方法から解説していきます。
現役講師目線でお話しすると、英語は最も厄介で、最も対策が難しい科目です。
その理由は、「5教科屈指の積み重ね型科目」だからで、1度つまづくと、その後の修正に大きな時間と手間がかかります。
したがって、「学校の授業にしっかりとついていく」意識を強く持ちながら、中1、中2の復習をどの科目よりも優先して「最速で」進めてください。
また、勉強を進めるときは、下記の順で対策を進めていきましょう。
- 単語
- 文法
- 長文読解
- リスニング
英語は単語がわからないとどうしようもなく、また「単語の並べ方」である文法が身についていないと、文を読めないし、文を書けないし、聞き取ることも難しくなります。
「単語と文法」の基礎固めをどれだけ早くできるかが鍵になるので、「今この瞬間」から勉強をスタートできれば理想です。
数学
数学の勉強方法 | |
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科目の特徴 |
・反復練習が点数に直接つながる ・中3の学習内容が極めて重要 |
勉強法の要点 |
・とにかく反復練習 ・中3の学校の授業を大切に |
勉強法の注意点 |
・わからないことがあったら質問をする ・「演習→質問→反復」が基本的な流れ |
続いて数学の勉強法ですが、英語に次ぐ積み重ね型の科目です。
しかし、英語は科目全体で積み重ねをしていくのに対し、数学は「単元単位」で積み重ねをしていきます。
関数の単元で言えば、中1は比例、中2は一次関数、中3は二次関数、といった具合ですね。
したがって、一度つまづいても、「単元ごとに復習をしていけば問題ない」という点で、英語よりも修正がしやすいと言えます。
また、高校受験レベルの数学は「型にはまった問題」しか基本的には出題されないので、とにかく反復練習が大切。
もちろん、わからない状態で反復練習をしても意味がないので、わからないことがあったら学校の先生や塾、家庭教師で質問をして解決しましょう。
「演習→質問→反復」の流れを徹底して、それぞれの問題の「パターン」を落とし込んでいけば簡単に点数が取れますよ。
国語
英語の勉強方法 | |
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科目の特徴 |
・暗記と読解の2つが求められる ・暗記は反復、読解は慣れが必要 |
勉強法の要点 |
・問題集1冊を早いうちに仕上げる ・漢字、熟語、文法など暗記は後でOK |
勉強法の注意点 |
・読解は色々な問題にトライする ・「早く解く」意識を普段の勉強から持つ |
国語は全教科の中でも、「暗記と思考(読解)」の比率が1:1程度の、最もバランスが取れた科目です。
暗記は漢字や熟語、文法などが該当しますが、英語や数学と異なり、「日本語」で書かれているものなので、比較的学習を進めやすいのがポイント。
一方で、読解問題がかなり厄介です。数学のような反復練習が通用せず、問題ごとに異なる文章が登場するので、「どれだけの問題に触れられるか」が点数アップにつながってきます。
したがって、暗記と読解の力をバランスよくつけるためにも、まずは問題集を1冊、早いうちに仕上げることが重要です。
その後、読解が苦手なら読解に集中して取り組み、時間がない場合、漢字や熟語、文法など暗記事項は、冬に入ってから集中的に取り組む形でも問題ありません。
理科
理科の勉強方法 | |
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科目の特徴 |
・物理、化学、生物、地学の4分野から構成 ・各分野で特徴が大きく異なる |
勉強法の要点 |
・物理:計算問題最多。パターンを理解 ・化学:計算と暗記が1:1。反復練習 ・生物:暗記。問題集数冊を完璧に ・地学:暗記多め。覚えにくくゴロを活用 |
勉強法の注意点 |
・早く仕上げすぎると本番までに忘れる ・物理、化学は早めに取りかかろう |
理科はなんとなく「難しい」というイメージがもたれがちな科目ですが、要点さえ押さえてしまえば、簡単に点数が期待できる「美味しい」科目です。
最大の特徴は、1分野(物理、化学)と2分野(生物、地学)の2つの分野にわかれている点ですが、より正確には物理、化学、生物、地学の4分野にわかれています。
各分野の勉強法は上記の通りですが、優先順位を下記に示します。
- 物理
- 化学
- 地学
- 生物
上から順番に「計算問題」が多くなり、下に行くにつれて暗記の割合が高くなります。
まずは物理と化学の対策から始め、計算問題に慣れておくことが大切。その後、秋、冬と本番が近づくにつれて、地学と生物の暗記を進めていくのが理想の形です。
物理、化学、生物、地学の4分野は、市販の問題集の中で区別されていることが多いです。
学校ではこの4分野の分け方はされないので、しっかりと4分野に分けられている問題集を選ぶことが大切だと言えます。
社会
社会の勉強方法 | |
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科目の特徴 |
・膨大な量の暗記が求められる ・覚えさえすれば誰でも点数が取れる |
勉強法の要点 |
・秋〜冬にかけて集中的に仕上げるイメージ ・問題集を1冊、完璧にやり切る |
勉強法の注意点 |
・早く仕上げすぎると本番までに忘れる ・イメージや背景知識に関連させて暗記する |
最後に取り上げるのが社会ですが、全科目の中でも圧倒的に「暗記科目」だと言いきれます。
最大の特徴は、膨大な量の暗記が求められる点です。どれだけ効率良く、正確に覚えられるのかが重要なので、まずは反復練習を大切にしてください。
また、どの問題集でも書いてあること、説明内容は大差ないので、「1冊を完璧に仕上げる」意識を強く持つこともポイントの1つ。
一方で、ただ覚えるだけではつまらないですし、覚えにくいのもまた事実ですよね。
したがって、背景にあるもの、例えば歴史なら、「流れを追いながら覚えていく」などのような工夫があると、非常に覚えやすく、また楽しく勉強を進められますよ。
合格の可能性をグッと高める夏休み、冬休みを含めた年間学習スケジュール
続いて、合格の可能性をグッと高める、年間学習スケジュールについて解説していきます。
わかりやすいように、下記4つのフェーズにまとめました。
- フェーズ1:中2の秋〜中3の夏休み前
- フェーズ2:中3の夏休み
- フェーズ3:中3の夏休み後〜冬休み前
- フェーズ4:中3の冬休み〜入試本番
それぞれのフェーズのポイントを、下記の表にまとめます。
各フェーズのポイント | |
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フェーズ1 (中2秋〜中3夏前) |
・中1〜中2の復習 ・「受験生」という実感を持つことが大切 |
フェーズ2 (中3夏休み) |
・中1〜中2の復習+基礎的な入試対策 ・ここでスイッチが入るかどうかが鍵 |
フェーズ3 (中3秋〜冬前) |
・本格的な受験対策 ・短期間に2度の定期テストが大変 |
フェーズ4 (冬休み〜本番) |
・過去問演習 ・公立入試は演習量が点数につながる ・私立入試は演習の質が点数につながる |
先に断っておくと、各フェーズにやるべきことはケースバイケースですし、タイミングによっては、既にフェーズが終わってしまっている場合もあるはずです。
したがって、「こうすればOK」のような簡潔な説明では、十分な解説をすることができません。
それでも、各フェーズで上記のような流れを意識すれば、1年単位のイメージが比較的しやすいとは思います。
基本的には、「復習(基礎)→入試対策(標準)→過去問演習」の順で進めていけばOK。
この3つの流れに沿ったおすすめの問題集を解説した、下記の記事も参考にしてみてくださいね。
合格者に共通する高校受験の「OK/NG」勉強法
まずは教科別、スケジュールという観点から高校入試の勉強方法について解説してきました。
ここまでのお話で、おおよその流れは掴めたとは思いますが、それでもやはり、下記のように不安を抱く方は多いはずです。
具体的にどんなことをやれば合格に近づくの?
そこでここからは、具体的にやるべきOK勉強法と、避けるべきNG勉強について、現役講師の目線で解説していきます。
今すぐにでもやるべき「OK勉強法」4選
まずは「今すぐにでもやるべき」と言い切れる、「OK勉強法」を4つご紹介していきます。
- 志望校を「ぼんやり」でも良いので検討しておく
- 「通塾or家庭教師or独学」を早い段階で決めておく
- 各教科で1冊、テキストを用意する
- 外部模試を早いうちから、定期的に受験する
いずれも「超重要」なものなので、順番に見ていきましょう。
志望校を「ぼんやり」でも良いので検討しておく
人間はただ漠然と何かをすることに対して、強い抵抗感を抱くものです。
「ゴール」「目標」を明確にすることで、具体的なイメージ、行動が取りやすくなります。
高校受験の最終目標は「志望校合格」なので、まずは志望校を決めることから始めていきましょう。
筆者のこれまでの経験上、志望校を考える上で大切なポイントを下記にまとめました。
- 家からの距離感。「近さ」は正義
- 学校の雰囲気。行事、部活、治安など
- 偏差値の高さ。自分に合ったレベルかどうか
- 進学実績。国立重視、私立重視など意外と異なる
- 憧れ。周辺地域の人気学校など。
このうち、どの決め方が良いのかについては「子どもや家庭による」としか言えません。
ただ、個人的にいつも感じているのは、雰囲気や偏差値、進学実績を重視しすぎていて、「家からの距離感を軽視しすぎではないか」という点です。
というのも、高校生の生活はかなりハードで、自分自身で自由に使える時間が非常に少ないです。
通学に時間がかかる場合、「朝7時に家を出て、夜8時に帰宅」という、「13時間の拘束時間」となります。ブラック企業とほとんど変わりませんね。
しかし、家から近い高校を選べば、1日30分、1時間、1時間半といった自由時間が生まれ、3年間合計で膨大な量の可処分時間が生まれます。
この可処分時間に勉強をしたり、アルバイトをしたり、友達と遊んだり、といった形で学生生活を有意義なものにする方が、結果的に子どもの人生にプラスに働く可能性があります。
したがって、「家から近いから」というなんとなくの理由で志望校を選んだ場合でも、自分の気持ちを否定したり、子どもの決定を否定する必要はありません。
「通塾or家庭教師or独学」を早い段階で決めておく
高校受験の勉強を進める上で避けては通れないのが、「各種教育サービスの利用の検討」です。
具体的には塾や家庭教師、通信教育などがあげられますね。
結論から言えば、正解はありません。
子どもの性格や学習状況、志望校に加え、家庭の経済状況が関わってくるので、「子どもや家庭による」というのが正解でしょう。
参考として、下記にそれぞれの教育サービスの特徴をまとめました。
教育サービスの特徴 | |
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塾 |
・最もポピュラーな選択肢 ・費用対効果が最も悪くなりやすい |
家庭教師 |
・マンツーマンで指導の質は高い ・料金は高いが費用対効果は高い |
オンライン教育 |
・要注目の選択肢 ・費用対効果が非常に高い |
通信教育 |
・料金が安く手が出しやすい ・子どものやる気で効果が大きく変わる |
独学 |
・難易度は高いが得るものは非常に大きい ・適切な情報を得れば独学でも十分に可能 |
筆者はこれまで、塾、家庭教師、オンライン家庭教師と、考え得る全ての教育サービスで講師として働いた経験があります。
個人的な考えとしては、「オンライン家庭教師(教育)」が最もおすすめです。
その理由を下記にまとめました。
- マンツーマン指導で質の高い授業を受けられる
- 移動時間などがなく、有効に時間を使える
- 交通費、施設管理費など、授業以外の出費が不要
- 自分の家でストレスなく授業が受けられる
- 全国のサービスから利用するものを選べる
利用するお客さま目線でこれだけのメリットがあるので、もっと普及して欲しいなと常に感じながら、毎日オンライン家庭教師として働いています。
とはいえ、塾や訪問型の家庭教師にもメリットがあるのも事実です。
下記の記事も検討をする上での参考にしてみてください。
各教科で1冊、テキストを用意する
家庭学習を進める上では、「頼れるテキスト」が各科目で1冊、あると便利です。
というのも、学校から配布される教科書や学校ワークは「学校の授業を前提」として作られています。
学校の授業にしっかりとついていけている子なら良いですが、そうでない子にとっては、
学校の授業がわからないのにこんなの使い物にならない
このように思ってしまうのも無理はないでしょう。
つまり、学校から配布されるものだけでは、「学校の授業についていけない子」は遅かれ早かれ、学習が詰んでしまうのです。
では、具体的にどのようなテキストがあると良いのでしょうか?
現役講師目線でおすすめの選択肢を下記にまとめます。
- 教科書ガイド
- 基礎レベルの問題集
- 噛み砕いて解説する参考書
最もポピュラーかつベターな選択肢は教科書ガイドですが、2,500円〜3,000円程度の値段がネック。
各科目で揃えたら2万円近くの出費になることも珍しくありませんが、費用対効果はケースバイケースといったところ。
その点、市販の問題集や参考書は1,000円〜1,500円程度なので、コスパは非常に良いです。
家庭学習におすすめの問題集を解説した、以下の記事も参考にしてみてください。
外部模試を早いうちから、定期的に受験する
筆者は現役のオンライン家庭教師ですが、どの生徒、および保護者にも必ず下記のように伝えます。
必ず外部の模試を受けてください
一応、どの学校にも学校内部の模試(実力テスト)は存在しますが、これでは足りません。必ず、外部の模試を受けるように、高校受験でも大学受験でも伝えます。
その理由を下記にまとめました。
- 合格可能性が明確になる
- 本番に近い環境で試験が受けられる
- 勉強、受験に対する意識が高まる
最も大きな理由が「合格可能性」に関してです。
模試を受けると必ず、志望校に合格する可能性、いわゆる「判定」が出ます。
実をいうと、この判定はアテにならない場合もあるのですが、それでもやはり、子ども目線で「D判定」「合格可能性は30%」といった形で合格可能性が明らかになることには大きな価値があります。
過去に筆者が担当していた子は、普段から「俺はこの高校に行く」と豪語しながらも勉強に身が入らないという、かなり厄介な子でした。
「このままだと落ちるなぁ」と感じていたので、保護者に対して「とにかく外部の模試を受けてください」と必死に伝え受けさせたところ、結果は見事にE判定。
こちらとしては「そりゃそうだよな」と思っていましたが、本人にとってはかなりショックだった様子です。
しかし、その後数日経過して、こんなことを口にしました。
先生、俺ってほんとにヤバいんだなってわかったよ。ちゃんと真面目に頑張るわ。
これを機にスイッチが完全に切り替わり、見事に志望校に合格してくれたのは後日談ですが、模試がなかったら確実に落ちていて、人生が変わっていたはずです。
このように、外部模試は「絶対に受けるべき」と断言できるほど、高校受験において重要な意味を持つものなので、お住まいの地域の模試について、色々とリサーチしてみてください。
多くの人がやりがちな「NG勉強法」3選
さて、ここからは「NG勉強法」について、下記3つをご紹介していきます。
- 丸つけだけをして解説を読まない
- スイッチが入るのが遅いor入らず終わる
- 問題集、参考書、塾の授業にひたすら課金する
こちらの3つについて、順番に見ていきましょう。
問題を解いたらそこで終わり。解説を読まない、繰り返さない
多くの子どもたちは、「問題を解くこと」を勉強、学習だと思い込んでいます。
しかし、学ぶこととは「頭の中に定着させ、それを活用できるようにすること」なので、問題を解くだけでは到底、成績は上がりません。
したがって、下記のようなフローで勉強に取り組むように、徹底的に指導を行うことが求められます。
- 問題を解く
- 丸付けをして間違えた問題に印をつける
- 間違えた問題の解説を読む
- 数日後、間違えた問題を繰り返し解く
- 1に戻る
この流れに沿わないと、せっかく問題を解いた時間、労力がほとんど無駄になります。
そして、努力が正当に報われないとモチベーションが上がらず、結果的に勉強時間が不足して合格できなくなる、という最悪の結果につながる可能性も…
したがって、とにかく上記の流れを「徹底」させてください。
スイッチが入るのが遅いor入らず終わる
「やる気スイッチ」とはよくいったもので、このスイッチが入るか入らないかで、高校受験の結果は180度変わってきます。
早い子では2年生の秋くらい、普通の子で夏休み、遅い子では秋から年末にかけて、スイッチが入ります。
基本的には年明け以降にスイッチを入れても遅すぎるため、「夏休み」を目処にしてスイッチを切り替えられるようにしたいところです。
難しいのが、スイッチの切り替え方がケースバイケースであるということ。筆者がこれまで経験してきたものを下記にまとめます。
- 周りの子たちの雰囲気が変わってきた
- 模試などの結果を受けて危機感を持った
- 親や先生から指導を受けた
- 志望校が決まった
最も多いのは「周りの変化」です。仲の良い友達が塾に行き出したり、受験の話をしたり、クラスの雰囲気が変わってきたりと、そういったものですね。
どうしてもスイッチが入らない場合は、厳しい言葉を使って指導をすることもあります。
「出来るだけ優しくしてあげたい」「子どもの自主性に任せたい」といった気持ちも同時にあるので、厳しい言葉を使うことは心理的につらいです。
しかし、子どもの人生がかかってますし、そのために筆者は保護者からお金をもらっています。だからこそ、
志望校に行きたいんだろ?だったらやれよ
こんな感じに伝えざるを得ませんね。
もちろん、これは最終手段です。およそ、秋までにスイッチが入らない場合、このような指導が選択肢に入ってきます。
問題集、参考書、塾の授業にひたすら課金する
教育業界だけではありませんが、どの業界もとにかく、悩んでいる人、不安な人からお金を取ろうと躍起になります。
特に教育業界は「子どもの人生がかかっている」という大義名分が存在するので、「子どもの人生のため」という一言で、どのような出費も正当化されてしまうのが厄介です。
もちろん、正当な出費、課金もありますが、塾や家庭教師に100%従っていると、おおむね「3割〜半分程度」は無駄な出費となります。
出費が重なると選択肢が増えるため、「何をやったら良いのか」が曖昧になります。すると、どれも中途半端に終わり、確かな実力は身につきません。
大切なのは「一貫性」を持つことです。具体例を下記にまとめます。
- 独学:信用できるテキストを見つけてそれをやり切る
- 塾:信用できる塾を見つけて家庭と連携して進める
- 家庭教師:信用できる講師を見つけて指導を任せる
選択肢が多いことは良いことのように思えますが、高校受験ではときに毒になります。
たくさんある選択肢の中からどれを選ぶべきなのか、正確な知識を持たないため、迷い、曖昧な状態で進めていかざるを得ないからです。
だったら、「信用できるテキスト/塾/講師」を見つけ、あとは信じてやり切る姿勢がとても大切。
そのためには、「出来るだけ早く信用できるものを見つける」ことが求められます。
だからこそ、高校受験は「早く対策を始めれば有利」なのです。
まとめ
高校受験の勉強法は複雑に考えすぎず、シンプルが大事です。
基礎から着実に積み重ねていき、志望校次第で標準、応用、と問題演習のレベルを上げていき、その後過去問を解けばそれでOK。
難しく考えすぎると、時間とお金を無駄遣いし、結果につながらないこともあります。
適切な問題集、教育サービスを活用しながら、効率良く学習を進めていきましょう。