家庭学習でどんな問題集を使うのかは、学習効果はもちろんのこと、やる気やモチベーションの維持など、さまざまなことに関わってくる大切なポイントです。
しかし、いざ本屋に行って問題集を選ぼうとしても、選択肢がたくさんあり過ぎるあまり「どれを選べば良いのかわからない」と悩んでしまうもの。どんな問題集が最適なのか知りたいですよね。
そこでこの記事では、「中学生の家庭学習に最適な問題集」というテーマについて深掘りしていきます。現役のオンライン家庭教師がおすすめする問題集を用途別に解説しているので、参考にしてみてください。
現役のオンライン家庭教師として毎日、世界中の子どもたちに勉強を教えています。現役講師だからこそ伝えられる、正確な情報をわかりやすくお伝えします!
中学生におすすめな家庭学習向け問題集10選
では早速、中学生の家庭学習におすすめの問題集を知っていきましょう。
家庭学習は、主に以下の3つの目的にわけられます。
学校の補習 |
・学校の授業のフォロー ・平均点未満の子に最適 |
---|---|
テスト対策 |
・定期テストなどへの対策 ・平均点付近の子に最適 |
成績向上 |
・成績や点数の向上 ・平均点より上を目指したい子に最適 |
この3つのうち、どれを目的とするのかで選ぶべき問題集が変わってきます。表中にある通り「平均点」で分けて考えると選びやすいため、家庭学習を行う子に合った部分を重点的にチェックしてみてください。
問題集の紹介に使用している画像は、全て各出版社様の公式サイトから、著作権法で求められる条件を満たした上で引用を行なっております。決して無断転載ではありませんので、どうぞご安心してお読みください。
学校の補習
最初に紹介するのが「学校の補習用問題集」です。
家庭学習の一番大きな目的は、「学校の授業についていくこと」です。学校の授業から取り残されてしまうと、わからないところがどんどん増えてしまい、周りとのギャップも開いていってしまいます。
したがって、「家庭学習の最初の一歩」として選ぶべきは、今から紹介する「学校の補習用問題集」です。ラインナップは以下の通り。
- 【全教科】「ひとつひとつわかりやすく。」シリーズ
- 【全教科】「面白いほどわかる本」シリーズ
- 【全教科】「まとめて整理するルーズリーフ」シリーズ
- 【4教科】「ゼッタイわかる」シリーズ
- 【英語】英文法パターンドリル
いずれも、「学力に関係なく1人で進められる」「説明がわかりやすい」といった特徴を持っており、家庭学習入門に最適です。順番に解説していきます。
【全教科】「ひとつひとつわかりやすく。」シリーズ
メリット |
・穴埋め式の解説でわかりやすい ・カラー、イラストを積極使用 |
---|---|
デメリット |
・問題数が少なく定着が難しい ・基礎レベルしか扱っていない |
こんな子に |
・勉強が苦手、嫌いな子 ・学校の授業についていけない子 ・独学で予習を進めたい子 |
現役のオンライン家庭教師目線で、万人におすすめできる学校の補習用問題集がこちらの「ひとつひとつわかりやすく。」シリーズです。
出版社は学研さんで、勉強が苦手な子でも、嫌いな子でも、誰でも取り組める、あらゆる点でやさしい問題集に仕上がっています。
中身の紹介
本の中身がこちらです。見開きで1つの単元を扱っていて、左のページに解説パートを、右のページに問題パートを、それぞれ配置しています。
左のページの解説パートでは、イラストやカラーをふんだんに使い、さらに「穴埋め式の解説」とすることで、単調になり過ぎず、難し過ぎずの絶妙なバランスで家庭学習を進められます。
学校の授業を理解できていなくても、この説明だけでグングン理解ができるので、復習だけでなく予習にも使えるのがGoodポイント。
そして、右のページには問題が配置されていますが、問題のボリュームがこれまた絶妙。「多過ぎず、少な過ぎず」の最高のバランスで、挫折することなく、サクサクと解き進められるはずです。
ラインナップは、中学校1年生、中学校2年生、中学校3年生の全教科に対応しています。「とりあえず5教科分これで揃えておく」のも全然アリなので、家庭学習の最初の一冊にぜひ使ってみてください!
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【3教科】「面白いほどわかる本」シリーズ
メリット |
・講義形式でやさしく解説 ・単調にならずテンポ良く読める ・イラストがかわいい |
---|---|
デメリット |
・文字が多い ・問題が少ない |
こんな子に |
・教科書を読むのが辛い子 ・本を読むのが好きな子 ・本質を理解して学習したい子 |
受験業界ではお馴染みの「面白いほどわかる本」シリーズも、学校の補習用の問題集としておすすめです。
厳密に言えば、問題集ではなく参考書カテゴリの本で、黄色のカバーが目印です。私も学生時代、大学受験を独学で進めていた時に、ほとんど全ての科目でお世話になったシリーズでした。
直近のリニューアルで人気イラストレーターを起用し、中学生に馴染みがあるようなデザインにしているあたりは、出版社のKADOKAWAさんらしさが伺えます。やっぱり、見ていて楽しい、面白い問題集の方が手に取ってみたくなりますからね。大事です。
中身の紹介
さて、中身を紹介していきましょう。こちらは「理科」の中身ですが、ご覧のように、かなり文字が多めです。この時点で好き嫌いが分かれると思いますが、読んでみると意外とすらすらと読み進められます。
それもそのはず。教科書のように、無機質な文章の羅列ではなく、登場人物がいて、それがストーリー形式となっているため、読んでいて苦になりにくいです。
また、イラストや図も積極的に使用しているため、文字多めの見た目とは裏腹に、「読み進めやすい」一冊に仕上がっています。
ただし、欲を言えばもう少しカラーに気を遣ってほしいところではあります。赤系統の1色しか使っていないため、多色刷りにしてくれればもっと売れても良いはず。
少し脱線しましたが、問題を解くのではなく「読む」ことで知識の整理を図っていきたい方におすすめ。教科書を読むのが辛かったり、本を読むのが好きだったり、そんな子にこそ「面白いほどわかる本シリーズ」を使ってみて欲しいです。
【全教科】「まとめて整理するルーズリーフ」シリーズ
メリット |
・全て穴埋め式でやさしい ・フルカラーでイラスト付き ・5教科全部入り |
---|---|
デメリット |
・問題が少ない ・定着には工夫が必要 |
こんな子に |
・問題集が合わない子 ・ノートを作るのが好きな子 ・学校の予習をしたい子 |
「これぞ新時代の教材」と言えるのが、学研さんの「まとめて整理するルーズリーフ」シリーズです。
中1〜中3のそれぞれの学年で、5教科分がセットになった「ルーズリーフ式」の問題集、参考書で、自分でノートを完成させていく感覚で勉強を進めていきます。
アイデア勝負で見事大ヒットを勝ち取った、学研さんの自信作ですね。
中身の紹介
中身を見てみると、まずこちらが数学です。一目でわかるように、「フルカラーで視覚的にわかりやすい」ですよね。穴埋め式で問題演習を進めていき、解き方を理解していきます。
そしてこちらが社会。鎌倉時代についてまとめたページで、年号が穴埋め式でまとまっています。自分でノートを完成させられるので、知識の整理だけでなくモチベーションの維持につながりそうですね。
一方で、「ノートを完成させる」ことを目的にしてしまうと、肝心の定着が疎かになってしまう恐れもあります。
とはいえ、「家庭学習の取っかかり」としては優秀な一冊なので、多くの方におすすめできますよ。
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【4教科】「ゼッタイわかる」シリーズ
メリット |
・マンガで学習が進められる ・穴埋め式でわかりやすい |
---|---|
デメリット | ・定着には工夫が必要 |
こんな子に |
・勉強が嫌いな子 ・マンガやアニメが好きな子 ・絵やイラストが好きな子 |
KADOKAWAさんの意欲的な問題集が「ゼッタイわかる」シリーズです。
マンガ形式で学習できる点が最大の特徴ですが、これまでもマンガスタイルのものは存在しました。このシリーズが明確に違うのは「絵師」を起用している点です。
絵師とは、昔風に言うと「イラストレーター」のようなもので、SNSを中心にイラストを上げている人たちのことを指します。
素晴らしいイラストを描く絵師を特に「神絵師」と呼び、この問題集は「神絵師」を多数起用している点が最大のセールスポイントです。
こちらの画像はこのシリーズの宣伝画像ですが、起用する絵師のSNSのフォロワー数について、「総フォロワー数300万人越え」という売り文句を使っている点が、「現代の子供が求めているもの」を如実に表していると言えるでしょう。
中身の紹介
中身の紹介ですが、こちらがマンガパート。それぞれの人物には設定が存在し、これを上手く使ってストーリーを組み立てて導入をしていきます。
そして、こちらが解説パート。こちらは漫画ではなく「会話」形式で解説が進んでいき、穴埋めも用意されています。
そして、単元の最後に練習問題を用意。漫画、解説とページを割き、問題がこのボリュームという点に、この問題集の強みと弱みがハッキリ映し出されていますよね。
勉強が苦手な子や嫌いな子、あるいは漫画やアニメ、イラストが好きな子にはもってこいの一冊ですが、これだけで勉強をした気にさせてしまうのは少し危険です。
あくまで、「勉強に興味を持ってもらう一冊」として使い、その先の演習、定着を学校ワークなどで行うことが大切です。
【英語】英文法パターンドリル
メリット |
・英語問題集には珍しいドリル式 ・易しいので独学でもコツコツ進む ・英訳能力が身につく |
---|---|
デメリット |
・単語や長文読解が学習できない ・応用力を伸ばしにくい |
こんな子に |
・英語でつまづいている子 ・英語が嫌いな子 ・英語を独学で勉強したい子 |
英語は中学生から本格的に勉強し始めるため、他の科目とは異なり「小学生の貯金」が使えません。しかも、一度つまづくとドミノ式に「わからないの連鎖」が始まるため、気がついたら手遅れになることも。
だからこそ、日常的な家庭学習が大事になりますが、こちらの「英文法パターンドリル」は英語の家庭学習に最適!
名前にある通り、ドリル式に英語の文法を学ぶことができるので、英語が苦手でも、嫌いでも、コツコツと学習を進めていける完成度の高い一冊です。
率直に言って、この問題集より優れた中学生の英語用問題集を私は知りません。それくらいおすすめです。
中身の紹介
出典:英文法パターンドリル 中学1年 P78〜P79 – 杉山一志著 文英堂
英文法パターンドリルは公式サイトによるページの紹介がなかったので、私が所有する教材から2ページを引用しました。
上記画像のように、1単元見開き2ページで、3つの大問によって構成されています。詳細を以下にまとめてみました。
英文法パターンドリルの構成 | |
---|---|
大問1:5問 |
・基本の選択問題 →理解を深める |
大問2:5問 |
・並び替え →理解を促す |
大問3:5問 |
・英訳 →定着を促す |
ご覧のように、最初の大問1は基本を確認する「選択問題」です。大問1の前に解説パートが存在するため、そこを読むだけで正解できる簡単な問題が用意されています。
そして、大問2では文法事項を確認する並べ替え問題。そして大問3は英訳問題で、こちらは知識の確認と定着を図る難易度が高い問題です。
基本的にはどの単元もこの3つの大問から構成されているため、文法を「パターン化」してドリル形式でどんどん問題を解くことで、理解、定着を深めていきます。
実際に使ってみるとわかりますが、一人でもサクサクと進めやすく、問題を解いていく中で自動的に知識が定着していきます。非常に完成度が高い一冊なので、英語が苦手ならぜひ使ってみてください。
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定期テスト対策
続いて、中学生の定期テスト対策におすすめな家庭学習問題集を紹介していきます。
と言いたいところなのですが、実は定期テスト対策には市販の問題集を買う必要がない家庭がほとんどです。
なぜなら、公立学校の定期テスト対策で最も大切なのは「学校ワーク」だから。学校ワークをどれだけ念入りにできるかでテストの結果が変わってくるため、ヘタに市販の問題集に手を出すと、かえって逆効果になることも。
したがって、まずは学校ワークをしっかりやり切ることを目標にしてください。そして、平均点〜平均点+15点程度が安定して取れるようになってきたら、市販の問題集に手を出すのが良いでしょう。
とはいえ、「学校ワークだけじゃ不安」という方も多いでしょう。そんな方に向けて、ここでは以下の3冊を紹介します。
- 教科書ガイド
- 「まとめ上手」シリーズ
- 「標準問題集」シリーズ
どれも高い効果を得られるおすすめの問題集なので、気になったものを選んでみてください。
【全教科】教科書ガイド
メリット |
・教科書に沿って学習できる ・予習や復習に最適 |
---|---|
デメリット |
・学校ワークと役割が似ている ・問題集の中では高価 |
こんな子に |
・学校ワークが配布されていない ・学校ワークが難しくて手が付けられない |
既にお持ちの方も多いかもしれませんが、それぞれの出版社から出ている教科書ガイドは定期テスト対策に最適です。
教科書の内容に沿っているだけでなく、「言い回し」「学習する細かな順番」こういったものが丁寧に反映されているので、きめ細やかな学習が可能になります。
一方で、学校ワークと役割が似ているので、使いこなすのが難しいというデメリットも。また、一般的な問題集と比べて高価なので、コスパという点では高いとは言えません。
学校でワークが配布されていない科目や、学校ワークが難しくて手が付けられないならおすすめですが、先述のように「まずは学校ワークから」を心がけてくださいね。
【全教科】「まとめ上手」シリーズ
メリット |
・テストに出るところに絞ってまとめ ・1冊持っておくだけで安心 |
---|---|
デメリット |
・高得点向けではない。あくまで平均点狙い。 ・問題数が少ない |
こんな子に |
・平均点を目指したい ・最低限の勉強時間で結果にこだわりたい |
定期テスト対策では「効率的な学習」が何よりも大切です。
学校の教科書を見ていても、どこが大切なのか分かりませんし、学校ワークもどこから手をつけて良いのかわからない。これ、テスト対策あるあるですよね。
そこでおすすめしたいのが、受験研究社さんの「まとめ上手」シリーズです。
中身の紹介
「まとめ上手」シリーズの中身はこちら。中1理科を紹介していますが、ご覧のように「カラフルなイラストや写真付きで分かりやすい」とひとめ見て分かりますよね。
これだけ分かりやすくまとまっているなら、「短時間」での効率的な学習に役立つこと間違いなしです。
また、こちらのページにあるような「一問一答」のページも用意されているので、基礎事項の定着もバッチリです!
1科目につき1冊持っているだけで、定期テスト対策の基本が押さえられるので、なかなか勉強をしなかったり、何をすれば良いのかわからない子におすすめですよ。
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【全教科】「標準問題集」シリーズ
メリット |
・3つのSTEPで段階的に実力をつけられる ・貴重なドリル形式。問題数が豊富 |
---|---|
デメリット |
・学校ワークと役割がかぶる ・解説パートがややわかりにくい |
こんな子に |
・とにかく基礎を身につけたい ・学校ワークが配布されていない ・問題を多くこなしたい |
定期テスト対策の基本中の基本は「学校ワーク」であることを当サイトでは繰り返し強調していますが、学校ワークが定期テスト対策に向いている理由は、
- 段階的に実力を身につけられる
- 問題数が豊富
- テストにそのまま問題が出やすい
こういったものです。
言い換えれば、学校ワークに似ている問題集は「定期テスト対策に最適」であるということ。
こちらの受験研究社さんの「標準問題集」は、まさしく学校ワークのような使い方ができる画期的な問題集です。
中身の紹介
この問題集は「3つのSTEP」に分かれています。まずは「STEP1」から見ていきましょう。
以下の画像は、中1数学の「比例と反比例」の単元のSTEP1の見開き2ページです。
ご覧のように、簡単な解説と基本的な問題が2ページに渡って展開されています。
ページの右側の「Guide」というヒントが設置されており、これを元にして問題を解いていきますが、この他にはこれと言って特に言うことはありませんね。
では続いて、「STEP2」の見開き2ページを見ていきましょう。
こちらも非常にシンプルで、基礎〜標準レベルの問題が掲載されています。こちらもこれと言って特筆すべきことはありません。
以上に加え、「STEP3」も用意されていますが、こちらは「標準〜応用レベル」の問題が揃っています。
と、こんな感じで「見た目通り」の問題集で、「なんか普通じゃない?」と思う方もいると思います。
そうなんです、「普通」なんです。それがこの問題集の最大の特徴であり、最大の魅力でもあります。
というのも、今の学参業界は、「普通じゃ売れない」と各出版社が思いすぎているあまり、このような「ドリル形式の普通の問題集」が姿を消しているのです。
だからこそ、このような「普通」の問題集は大きな価値を持っています。今も昔も、学力向上、成績アップの基本は「反復練習」だからです。
したがって、「基礎を身につけたい」「反復練習で定着に特化したい」という方に「強くおすすめ」できます。
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成績向上・点数アップ
続いて、「成績向上、点数アップ」を目的とする方におすすめの問題集を紹介していきます。
このレベルは、現在「平均点以上」の点数を取れていながらも、「もうワンランク上にいきたい」というケースが該当します。
- 「チャート式」シリーズ
- 「中学総合的研究問題集」シリーズ
こちらの2つのシリーズをピックアップしたので、気になったものを選んでみてください。
【全教科】チャート式シリーズ
メリット |
・基礎〜応用まで圧倒的な問題数 ・「5つのSTEP」で入試対策までこなせる |
---|---|
デメリット |
・平均点以下の子には難しすぎる ・解説がやや甘く、基本を省略しがち |
こんな子に |
・平均点+20点以上を目指したい ・ハイレベルな問題にチャレンジしたい ・入試まで見据えたテスト対策をしたい |
数研出版の「チャート式」シリーズは高校生の数学用のテキストとして知られていますが、中学生用のテキストとしても優秀です。
実際、筆者もオンライン家庭教師としてのレッスンで現在進行形で使用しています。
教育業界では「安心と信頼の数研出版のチャート式」と言われるくらいクオリティが高いですが、その理由を解説していきます。
中身の紹介
チャート式の最大のポイントは、「1冊で基礎〜応用まで完結する」という点です。
最も人気の高い数学では、下記のような構成となっています。
チャート式の構成 | |
---|---|
基礎 |
・例題 ・練習 |
標準 | ・エクササイズ |
定期テスト対策 | ・定期試験対策問題 |
応用 | ・発展例題 |
この「基礎〜応用」まで幅広くカバーできる汎用性の高さこそが、チャート式の魅力です。
実際の画像で詳細を確認していきましょう。
【基礎:例題、練習】
こちらは基礎力を身につける「例題、練習」ページです。
それぞれの単元をさらに細分化し、問題の種類ごとに例題と練習を用意しています。
一応、ここでは基礎力を身につけることを目的としていますが、難易度高めの問題も平気で出題されるので、この点にだけ注意です。
【標準:エクササイズ】
続いて標準的な力を身につける「エクササイズ」ページです。
ここでは「例題、練習」で身につけた考え方、解き方を定着させるための問題が用意されており、難易度はそこそこ高めです。
実際の入試問題も普通に掲載されているので、標準だからといって侮れません。
【定期テスト対策】
こちらは「定期テスト対策」のための力を身につける「定期試験対策問題」です。
各単元の章末問題のようなイメージで、該当単元全てを網羅した上で、定期テストで出題されやすい問題にフォーカスして掲載しています。
【応用】
最後に紹介するのが、ハイレベルの入試対策に求められる応用力を身につけるための「発展例題」です。
「発展」とある通りかなり難易度が高く、講師目線でも「これは難しい」と思わずうなってしまうような、そんな粒揃いの問題が掲載されています。
【全教科】「中学総合的研究問題集」シリーズ
メリット |
・一問一答から本格入試対策まで幅広い ・問題、解説の質が高い |
---|---|
デメリット |
・問題数がやや少ない ・全体的に堅い。中学生にはやや難解 |
こんな子に |
・質の高い問題にチャレンジしたい ・信頼できる問題集が1冊欲しい ・入試まで見据えたテスト対策をしたい |
安心と信頼の旺文社が出している「中学総合的問題集」シリーズは、「質の高さ」が最大の魅力です。
問題の質、解説の質、そして全体の構成がとても洗練されています。各単元のスタートは一問一答で、基礎知識の確認からスタート。
その後、標準レベルの問題に取り組み、最後は実際の入試問題から厳選した良問を解くことで、入試レベルの実力を身につけることが可能です。
一方で、「中学総合的研究」というその名前が、「難しそう」「とっつきにくそう」というイメージを与えるため、確実に書籍の名前で損をしている、非常にもったいない問題集でもあります(泣)
中身の紹介
さて、では中身の紹介から入りましょう。
この問題集は、各単元が下記のように3部構成となっています。
- 一問一答(基礎)
- 実践問題(標準)
- 実力アップ問題(応用)
この流れに沿っていくことで、段階的に実力を身につけられる、、というのが流れですが、全体的に難易度は高め。
「偏差値55以上」程度をターゲットとして作られている印象です。
【一問一答】
まずはこちらが「一問一答」の紹介ページです。
一問一答は理科と社会の基礎力を身につける上で必要不可欠な問題形式ですが、意外と軽視されがちでもあります。
しっかり用意してくれているのはさすがの旺文社です。イラスト付きなのもGoodポイントです。
【実践問題】
そしてこちらが「実践問題」ですが、とにかく問題の質が高い。
他の問題集や学校ワークでは網羅しきれない、「かゆいところに手が届く」ような問題が揃っているため、本当の実力を身につける上ではもってこい!
一方で、その分、「王道の問題」はやや少ない印象なので、そういった問題は一般的な問題集や学校ワークにて身につければOKでしょう。
【実力アップ問題】
そしてこちらが「実力アップ問題」です。
文字通り、実力をぐんぐん上げていくために必要な問題で、実際の入試問題から厳選していることが多いです。
問題のバリエーションも多岐に渡り、「総合的な実力」を身につけることを一貫しています。「総合的研究」という書籍名に恥じないクオリティですよ。
問題集を使って家庭学習を効果的に進める方法
中学生の家庭学習において、おすすめの問題集を現役講師目線で紹介してきましたが、問題集をただ揃えるだけではいけませんよね。
「どのように使うのか」「どのように家庭学習を進めるのか」が非常に大事なので、下記の3つの観点でポイントを解説していきます。
- 学校の授業についていく
- 苦手・わからないを放置しない
- 家庭学習の習慣をつける
いずれも重要なので、しっかりチェックしておきましょう。
学校の授業についていく
成績が伸びてこない子に共通しているのが、「学校の授業についていけていない」という点です。
2022年に文部科学省が実施した学習活動に関する調査では、「学校で一番楽しいことはなんですか」という質問に対し、「授業」と答えた学生は全体の「4.3%」と非常に少ないことが明らかになりました。
参考:中学生・高校生の生活と意識調査2022 単純集計結果 – 文部科学省
現場はこんな状態なわけなので、学校の授業にモチベーションを保てず、ついていけない子が出てきても無理はありませんよね。
「学校の補習問題集」を使って先取りを!
当然の話ではありますが、1日数時間、学校で授業を受けている中で、ついていけるかどうかで差はどんどん大きくなっていきます。
学校の授業にしっかりとついていくだけで、下記のようなメリットが生まれます。
- 勉強が楽しくなり自信が生まれる
- 塾や家庭教師などの教育サービスの利用が不要
- 内申点が高まり入試が有利になる
対策としては、まずは「学校の授業を真面目に受ける」ことが何よりも大切ですが、それに加えて「学校の授業の補習」ができると理想的です。
使用すべき問題集は、この記事の最初に紹介した「学校の補習用問題集」を参考にしてみてください。
苦手・わからないを放置しない
問題集を進めていくと、必ず「苦手な問題」「わからない問題」が出てきます。
ときには、「わからない問題だらけ」となってしまい、下記のように不安に思ってしまうこともあるはずです。
やっぱり自分は勉強が苦手なんだな…
しかし、そんなことはありません。むしろ、これが普通です。
そもそも問題集とは、「自分の苦手やわからない問題を明らかにする」ために使うものなので、わからない問題が存在することに対してネガティブな感情を抱く必要はありません。
大切なのは「その後」です。わからない問題を放置するのか、それともしっかりと対策をして、次に活かすのかのどちらかですね。
しっかりと対策をすれば自然と成績は上がってきますが、その対策方法が難しいところ。対策方法を下記にまとめます。
- 学校の先生に質問する
- 塾や家庭教師の先生に質問する
- 検索したり動画で解決する
最もおすすめなのが「学校の先生を活用すること」です。
なぜなら、学校の先生なら無料で教えてもらえるからです。正確には自分たちが支払った税金分、料金は発生していますが、それでも学校を上手に活用できれば大きなアドバンテージとなります。
また、塾や家庭教師を利用しているなら、必ず質問をしてください。質問をしないなら、正直いって利用する意味はありません。
動画を併用して苦手を克服!
一方で、今の時代はインターネットを活用すれば、いくらでも情報が手に入る時代です。Googleで検索したり、解説動画を探したり、そういった工夫次第でどうとでもなります。
しかし、子どもが自分一人で情報を取りにいくのが難しいのもまた事実であり、適切な情報、解答にアクセスできる保証もありませんよね…
そこで活用したいのが、「スタディサプリ」に代表される「学習専門の動画サービス」です。
学年別、単元別に解説動画がまとまっており、また解説の質も非常に高いので、問題集を使った家庭学習の助けになるでしょう。
家庭学習の習慣をつける
問題集は買うだけでは意味がなく、家庭学習という形で活用をしないと意味がありません。
しかし、家庭学習は子どもにとって苦痛以外の何物でもなく、ゲームや動画、SNSなど、楽な方へと流れていきがちです。
勉強がつまらないこと、そしてゲームや動画、SNSが楽しいことは事実なので、否定しても意味がありません。
子どもが勉強をしたくないように、大人だって勉強なんてしたくないですよね。そういうことです。
したがって、「どれだけ勉強のハードルを下げられるか」がとても大切であり、そのために必要なことが「習慣化」です。
習慣化すれば高校受験は「勝ち確」
突然ですが、皆さんは「インキュベートの法則」についてご存知でしょうか?簡潔にまとめると下記のようになります。
どんなことでも21日間続けることで習慣化する
もういいたいことはわかりますよね。
つまり、勉強を21日だけ頑張って習慣化し、高校受験を有利に戦っていこうということです。
習慣化されたことに対しては脳がエネルギーを大きく使わずとも取り組めるようになり、長期間、長時間にわたり学習を進めることができます。
ただ、先にいっておくと上記インキュベートの法則は迷信であり、学習を習慣化することはケースバイケース。1週間で習慣化される場合もあれば、3カ月程度かかる場合もあるでしょう。
いずれにせよ、学習を習慣化した子はとても強いです。よほどの才能の差がない限り、学習が習慣化していない子は習慣化した子には勝てません。
逆にいえば、習慣化した時点で高校受験は「勝ち確」だということ。習慣化するまでが勝負なので、最初は少し大変かもしれませんが、無理のない範囲で続けていきましょう。
出典:勉強ができる人は知っている。よい習慣を身につける「21日の法則」 – ダイアモンドオンライン
まとめ
家庭学習は難しいと思われていますが、使う問題集で難易度をグッと下げることができます。
自分に合った問題集を使うことで、無理なく実力を身につけていくことが何よりも大切。
記事中で紹介した問題集の中から、実力や好みに合ったものを選んでみてください。