高校受験には塾や家庭教師といった教育サービスが必要だと思われていますが、決してそんなことはありません。「適切な問題集」を使ってコツコツ勉強を進めていけば、通塾している子どもに負けることなく、受験を有利に進めることができます。
しかし、「どんな問題集を使えば良いのか」が分かりにくく、いざ本屋に行っても無数にある書籍に圧倒されてしまう気持ちも理解できます。
この記事では、「塾なし高校受験と問題集」というテーマについて、現役のオンライン家庭教師がわかりやすく解説していきます。具体的な本の名称や使い方などを知って、高校受験を有利に進めていきましょう。
現役のオンライン家庭教師として毎日、世界中の子どもたちに勉強を教えています。現役講師だからこそ伝えられる、正確な情報をわかりやすくお伝えします!
塾なし高校受験におすすめの問題集
早速、塾なし高校受験におすすめな問題集を紹介していきますが、それぞれの問題集には大まかに「レベルや目的」が設定されています。
大学受験ほど厳密に分けられてはいませんが、塾を利用しない高校受験の場合は「レベルや目的に合った問題集」を使うことが極めて重要です。
したがって、以下の3つに分けて問題集を紹介していきます。
- 基礎
- 標準
- ハイレベル
「自分や子供がどのレベルなのかわからない」場合は、基礎から順番に目を通していき、合っていそうなものを選べばそれでOK。
では、始めていきましょう!
問題集の紹介に使用している画像は、全て各出版社様の公式サイトから、著作権法で求められる条件を満たした上で引用を行なっております。決して無断転載ではありませんので、どうぞご安心してお読みください。
基礎
まず紹介していくのが「基礎」レベルの問題集です。
言うまでもなく、確かな実力は「強固な基礎」がなければ身につけることができません。
したがって、以下で紹介する問題集は「高校受験の入り口」とも呼べる、極めて重要な位置付けのものばかり。
- 【全科目】「10分間で総復習」シリーズ
- 【数学】中学数学の解き方をひとつひとつわかりやすく。
- 【英語】英文法パターンドリル
いずれも、「勉強が苦手な子」「受験勉強をこれから始める子」でも使いやすく仕上がっているので、順番にチェックしていきましょう。
【全科目】「10分間で総復習」シリーズ
基礎を徹底 |
・問題数を最小限に →最短距離で学習可能 |
---|---|
10分完結 |
・1単元10分完結 →飽きずに続けやすい |
巻末付録 |
・必要な情報を網羅 →受験当日まで役立つ |
塾なしで高校受験を進めていく上で、「最初の1冊」に適任なのが、増進堂・受験研究社さんの「10分間で総復習シリーズ」です。
受験研究社さんには、私の学生時代からオンライン家庭教師として働く今に至るまで、大変お世話になっている個人的にお気に入りの出版社さんです。
全体的にムダがなく、親しみやすい問題集が多い印象で、特にこの問題集は一番のお気に入り!
キーワードは「基礎」「続けやすい」の2つです。勉強が苦手な子でも、受験勉強を始めたばかりの子でも、塾なしでコツコツと進めていくことができます。
中身の紹介
こちらが実際の書籍の中身です(公式サイトから引用)。引用したのは「数学」の問題集で、ご覧のように、見開きで1つの単元が構成されています。
左側は解説のページで、最低限必要な情報をわかりやすくまとめています。また、ワンランク上の内容については「入試得点アップ」という項目を小さく右側に用意し、基礎を超えた「標準レベル」の内容まで学習可能。
そして、右側のページは問題のページです。「多すぎず、少なすぎず」の最適な量となっており、塾なしの独学でも、コツコツと着実に実力を伸ばせるよう工夫が凝らされています。
また、巻末には各科目それぞれに「巻末付録」がついています。大抵の場合、巻末付録は付録の域を出ず、「出版時のページ調節」の役割が強いためほとんど実用性がないのですが、「10分間で総復習シリーズ」の巻末付録は極めて質が高いです。
こちらは数学の巻末付録になりますが、見開きで表裏で構成される「チェックカード」をつけてくれています。
表面には各単元のチェック問題が書かれていて、裏側には解説を記載。パンチで穴を開け、リングに通して使うなどすれば、サクッと基礎事項の確認ができる教材として使うことが可能に!これだけでも売れるほどのクオリティです。
もちろん、各科目ごとに用語の確認や一問一答などが用意されているため、「5教科の基礎の徹底」はバッチリです!
【数学】中学数学の解き方をひとつひとつわかりやすく。
基礎に集中 |
・基礎問題を厳選 →最短距離で学習可能 |
---|---|
見やすい |
・イラスト、カラーを多用 →飽きずに続けやすい |
索引機能 |
・知りたいことを検索 →苦手を放置しない |
中学生向けの本屋の学参コーナーに必ず置いてあるのが、学研さんの「ひとつひとつわかりやすく。」シリーズです。このシリーズも私のお気に入りで、勉強が苦手な子や好きではない子の授業をする時に、積極的に使用をしています。
ここで紹介する「中学数学の解き方をひとつひとつわかりやすく。」は、このシリーズの数学の高校受験対策の書籍で、問題集というよりは参考書的な使い方です。
キーワードは「基礎」「見やすい」の2つ。中身を見ていきましょう。
中身の紹介
こちらが「中学数学の解き方をひとつひとつわかりやすく。」の中身です(公式サイトから引用)。
ご覧のように、1ページで1単元にまとまっており、問題の解き方にフォーカスしてわかりやすく解説してくれています。
文字が大きめで、また色がついているので、わかりやすく言えば「現代っ子に馴染みやすい」ような工夫がされているため、勉強嫌いの子との相性は良いでしょう。
問題の数は多くないため、数学で分からないところが出てきたら、これを使って検索し解決する。このような使い方がメインになります。
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【英語】英文法パターンドリル
基礎に集中 |
・基礎問題を厳選 →最短距離で学習可能 |
---|---|
ドリル式 |
・1単元15問固定 →サクサク進む |
反復練習 |
・パターンで刷り込む →苦手でも実力が付く |
英語は中学校1年生からの積み重ね型の科目なので、1度つまづいてしまうとドミノ式に2年生、3年生、そして受験と崩れていってしまいます。
したがって、塾なしで基礎から英語の勉強をするのは至難の業。
そんな時、非常に役立つのが文英堂さんの「英文法パターンドリル」です。文英堂さんといえば、高品質で洗練された「シグマベストシリーズ」でお馴染みで、どちらかというと「ハイレベル」なイメージを勝手に持っていました。
しかし、この英文法パターンドリルは「基礎からとことん」をコンセプトとする、英語初学者には極めて役立つ問題集です。
正直言って、高校入試の英語の基礎固めにおいて、これより良い教材を私は知りません。そして、英語は基礎が最も重要なので、私の英語の教え子は「全員この教材を使っている」と言えば、どれだけ高い価値があるか、理解いただけると思います。
中身の紹介
英文法パターンドリルの中身については、残念ながら公式サイトでは公開されていませんでした。Amazonにある宣伝用の画像を引用したのが上記画像ですが、見開きで四分の一ほどが解説、残りが全て問題に割かれています。
解説は非常にシンプルで、余計なことはほとんど書いてありません。「習うより慣れろ」の精神で、以下の構成で合計15問、各単元に用意されています。
大問1:5問 |
・基本の選択問題 →理解を深める |
---|---|
大問2:5問 |
・並び替え →理解を促す |
大問3:5問 |
・英訳 →定着を促す |
全ての単元がこのパターンで進んでいくドリル形式なので、英語が苦手でもサクサクと進めやすいです。
また、中1、中2、中3と1冊ずつ用意されているのとは別に、「中学全範囲版」が用意されているのも嬉しいポイント。価格を三分の一程度に抑えられるので、受験生は「中学全範囲版」をおすすめしますよ!
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標準
続いて標準レベルの問題集について紹介していきます。
このレベルは偏差値帯で言うと「45〜60」に該当するため、「苦手だけど勉強を頑張りたい子」から「もっと上を目指したい子」まで幅広く対象としています。
ラインナップは以下の通りです。
- 【全科目】「高校入試合格BON!」シリーズ
- 【全科目】「受験生の50%以上が解ける落とせない入試問題」シリーズ
- 【全科目】「高校入試『解き方』が身につく問題集」シリーズ
使いやすく、また揃えやすいよう、いずれも「全科目」が用意されているシリーズものを用意しました。
この中から、合っていそうなものを選んでみましょう。では、紹介に移ります!
【全科目】「高校入試合格BON!」シリーズ
3年分を網羅 |
・中1〜中3まで網羅 →1冊で完結 |
---|---|
質の高い解説 |
・カラー、イラストを多用 →理社の勉強に最適 |
5教科を1冊で |
・5教科を1冊に凝縮 →各教科をもれなく学習 |
こちらの「高校入試合格BON!」シリーズは、学研さんが出している標準レベルの問題集です。
中学校3年間の内容を網羅し、解説と問題を両方掲載した「王道」とも言える構成、レイアウトとなっており、どんな方にも無難におすすめできるように仕上がっています。
5教科それぞれで揃えると6千円近くかかりますが、5教科版なら五分の一程度の価格に抑えられます。また、持ち運びにも適しているので、どこでもバランス良く、5教科分の学習ができるのがGoodです。
中身の紹介
合格BON!の中身はこのようになっています。こちらは「理科」の解説ページですが、パッと見でわかるように「イラストや色が豊富」で視覚的にわかりやすく仕上がっています。
また、こちらは問題のページですが、問題ページは各単元で4つ〜5つの大問を用意。問題の数は過不足なく「ちょうど良い」具合に調整されています。講師、指導者目線だともう少し問題数を増やしてくれるとありがたいですが、塾なし受験生には十分なボリュームでしょう。
これだけ質の高い解説と問題がセットになっている問題集はなかなかないため、「万人におすすめできるタイプ」の貴重な問題集です!
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【全科目】「受験生の50%以上が解ける落とせない入試問題」シリーズ
基礎を徹底 |
・「50%以上」に特化 →基礎を固められる |
---|---|
入試対策 |
・入試問題を使用 →質の高い演習が可能 |
ちょうど良い量 |
・問題を厳選 →薄いのでやり切れる |
偏差値45〜60付近の子にとって、「周りが解ける問題をミスなく解ける」ことは極めて重要です。これを徹底することで初めて、「偏差値60の壁」を突破することができます。
しかし、一般的な問題集には「簡単すぎる問題」「難しすぎる問題」も掲載されているため、効率的に「周りが解ける問題」を演習することが難しいです。
そこで役に立つのが、こちらの「受験生の50%以上が解ける落とせない入試問題」シリーズです。こちらは旺文社さんの問題集で、私が学生時代の頃はおそらく存在しなかったシリーズだと思います。
最も魅力的なのが「基礎を徹底」できるところ。偏差値60以上に向けて必要不可欠な「揺るぎない基礎」を、実際の入試問題で徹底的に固めきれるので、非常に有用な問題集です。
中身の紹介
残念ながら、公式サイトに中身が公開されていませんでした。
基本的な構成は、いずれの科目でも1単元が2ページで構成されています。左側が解説、右側が問題の王道レイアウトで、構成に特徴的な部分はありません。
とにかく、「受験生の50%以上が解ける問題」に特化している点が最大の特徴であり魅力なので、「基礎〜標準を固めたい方」「偏差値60までの土台を固めたい方」におすすめです!
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【全科目】「高校入試『解き方』が身につく問題集」シリーズ
パターン化 |
・「解き方」に特化 →効率良く学べる |
---|---|
丁寧な解説 |
・1単元8ページ →丁寧に解き方を学べる |
入試対策 |
・入試問題を使用 →質の高い演習が可能 |
どの都道府県の入試問題でも、高校入試の問題には「パターン」「解き方」が存在します。これを効率的に学ぶことができれば、短時間で効率良く実力を伸ばし切ることができますが、塾なしの場合はなかなか難しいのもまた事実です。
そこでおすすめしたいのが、こちらの「高校入試『解き方』が身につく問題集」シリーズです。旺文社さんの2019年から出版され始めた比較的新しいシリーズで、「解き方」に特化して演習できるのが最大の特徴。
問題集のレベルとしては「中の上」くらいなので、ややレベルは高めです。「ハイレベル」として紹介するか迷ったくらいでした。それでも、丁寧な解説に基づいて解き方を学べるため、偏差値50以上の子なら問題なく適応できる可能性が高いでしょう。
中身の紹介
ここからは、中身の紹介を行なっていきます。
Amazonで1単元分の中身が公開されていたので、それを引用して紹介していきます。
【1ページ〜2ページ】
まずこちらが1ページ〜2ページ目。解き方を学ぶには基礎が必要不可欠なので、これから学ぶ単元の基礎、基本の確認に2ページが割かれています。丁寧ですね。
【3ページ〜4ページ】
そしてこちらが3ページ〜4ページ目。頻出問題の解き方を見開き2ページに渡って解説し、解き方はわかりやすいよう「ステップ」に分けてくれています。
最初のページで色を使って解説し、次のページで穴埋め式で確認をしていくため、難易度が高い問題にも対応可能。こちらも丁寧です。
【5ページ〜6ページ】
5ページ〜6ページ目は4ページ〜5ページ目と同様の構成です。
【7ページ〜8ページ】
6ページに渡って丁寧に解き方の導入、解説を行い、最後の7ページ、8ページ目はいよいよ演習により定着を図ります。
実際の入試問題を使用し、問題ごとに「全体の正答率」や難易度が高い問題には「難」のマークを添付。これにより、「自分がやるべき問題」「解けないといけない問題」がパッと見でわかるため、非常に使いやすいです。
このように、「解き方」という難しいテーマに特化したものを、導入から解説、そして定着まで1冊で行える問題集は非常に貴重です。「今より一歩上の実力」を目指したい場合に使いたい一冊です。
ハイレベル
続いて紹介する問題集が「ハイレベル」に該当する問題集です。
その名の通り、高いレベルを目指す子に適した問題集で、偏差値換算で「60以上」が該当します。また、基礎が身についている状態でないと1人で解き進められないため、まずは「基礎」「標準」の問題集で基礎固めを徹底しましょう。
ラインナップは以下の通りです。
- 【全科目】「受験生の50%以下しか解けない差がつく入試問題」シリーズ
- 【全科目】「最高水準問題集 高校入試」シリーズ
- 【3教科】「塾で教える高校入試『塾技』」シリーズ
いずれも、高いレベルを身につける上で最適なものなので、順番に見ていきましょう。
【全科目】「受験生の50%以下しか解けない差がつく入試問題」シリーズ
応用に特化 |
・「50%以下」に特化 →効率良く実力アップ |
---|---|
入試対策 |
・入試問題を使用 →質の高い演習が可能 |
ちょうど良い量 |
・問題を厳選 →薄いのでやり切れる |
「標準」レベルのおすすめ問題集の中で、「受験生の50%以上が解ける落とせない入試問題」シリーズを紹介しましたが、それの「50%以下」バージョンがこちらです。
50%以下しか解けない問題とは、つまり「ハイレベルの入門」とも呼べる位置づけであるため、上を目指す子の「最初の一冊」としておすすめ。応用に特化したハイレベル系問題集の良いところは持ちつつも、問題を厳選しているため、ボリュームはかなり控えめです。
これを「ちょうど良い」と捉えるか、それとも「物足りない」と捉えるのかは人それぞれですが、これ一冊でハイレベル入試が完結はさせられないため、あくまで「ハイレベルの入門」との位置付けにしておきましょう。
中身の紹介
中身については、旺文社さんということもあり公式サイトやAmazonに掲載がないため、ここでは紹介できません。
先ほどの「50%以上」と同様に、見開き2ページで1つの単元が構成されており、左側のページで解説を、右側のページで問題演習を、それぞれ行います。
「50%以下しか解けない問題」に特化しているため、やや解説、問題のボリュームが不足している感もあるものの、ハイレベル特化の市販の問題集が少ないため、十分実用性はあります。
繰り返しになりますが、これだけでハイレベル入試の対策を完結させられるほどの汎用性はないため、あくまで入門編として捉え、次以降で紹介するハイレベル問題集を適宜使用していきましょう。
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【全科目】「最高水準問題集 高校入試」シリーズ
応用に特化 |
・難問に特化 →効率良く実力アップ |
---|---|
入試対策 |
・入試問題を使用 →質の高い演習が可能 |
シンプル |
・問題だけ掲載 →ムダを徹底的に排除 |
「ハイレベル向け」と言えば、文英堂さんのシグマベストシリーズが業界では定番です。
こちらの「最高水準問題集 高校入試」シリーズは、5教科全てに対応しているシグマベストシリーズの傑作で、偏差値60以上、もっと言うと「65以上」を目指す子たちにこそ、使って欲しい問題集です。
中身の紹介
文英堂さんの公式サイト、Amazonを見てみても、残念ながら中身の紹介がありませんでした。
とはいえ、この問題集に中身の紹介はほとんど不要です。なぜなら、問題集の中は「問題しか掲載されていない」から。
余計な説明は全く用意されておらず、中は100%問題オンリー。本当に説明パートが0%なので、思い切りの良い、解いていて気持ちの良い問題集です。その分、解答・解説は非常に充実しているので、塾なしでも十分に使えるでしょう。
逆に言えば、「説明不要でも高難度の問題を解ける」くらいの基礎が身についていないと歯が立たないので、まずは「標準」レベルの問題集で基礎固めを行いましょう。
【3教科】「塾で教える高校入試『塾技』」シリーズ
塾いらず |
・塾で教わるスキルを網羅 →塾なし高校受験に最適 |
---|---|
応用に特化 |
・「応用問題」に特化 →効率良く実力アップ |
ボリューム |
・全範囲を網羅 →1冊でハイレベルを完結 |
先に言っておくと、この問題集は「ハイレベル対策に本当におすすめ」なので、偏差値60以上、塾なしで「確かな実力」を身につけたいなら、今すぐにでも数学、英語、理科の3教科分、購入すべきです。
書籍の名称は「塾で教える高校入試『塾技』」シリーズで、業界では「塾技」と略します。数学と理科の著者の「森圭示」さんは業界ではレジェンド級のお方で、Z会の理系講師として活動しています。
高校受験だけでなく、中学受験の算数と理科についても「塾技」という名称で出版しており、いずれも業界内での評判は上々です。学校では教わらず、塾にウン万円というお金を入れて教わるような「最高水準の解法」が、書籍の中に「これでもか!」というほど詰め込まれています。
まさに「塾なし高校受験」に最適な問題集です。
中身の紹介
引用:塾で教える高校入試 数学 塾技100 新装版 P4〜P5 – 文英堂
中身については、文英堂さんの公式サイト、およびAmazonで公開されていませんでした。しかし、どうしてもこの問題集の良さを知っていただきたいので、引用の要件を満たした上で、私が持っている塾技数学の「目次」の画像を掲載します。
上記画像にあるように、塾技は「ボリュームが圧倒的」です。塾技数学だけでも、全部で100の単元が用意されているため、これ1冊あればハイレベル入試に必要な実力を身につけられます。
全体の雰囲気は、「シンプルかつ硬派」です。高校入試用の問題集でありがちな「親しみやすさ」はあまり感じられず、カラー、イラストも最低限。
その代わり、塾でしか教わらないハイレベルな知識、解法を「これでもか!」というくらい扱っているため、これほど頼りになる問題集はないでしょう。
「余計なものはいらない。ただ、実力をつけたい」といったような、ストイックで、上をどんどん目指したい子におすすめの問題集です。
ピンポイント系
ここからは、レベルに関係なく、特定の目的、ニーズをピンポイントで満たす上で有用な問題集を紹介していきます。
ラインナップは以下の通りです。
- 【過去問】声教の公立高校過去問シリーズ
- 【英単語】ターゲット
- 【英語長文読解】「ハイパー英語教室中学英語長文」シリーズ
- 【一問一答】高校入試5科の一問一答
「普通の問題集とは別にピンポイントでこれが欲しい!」といった細かな要望にも応えられる問題集が揃っているので、順番に紹介していきます。
【過去問】「公立高校入試過去問題集」シリーズ
完全網羅 |
・日本列島丸ごと網羅 →過去問が必ず見つかる |
---|---|
的確な分析 |
・老舗だからできる分析 →塾なしでも対策可能 |
充実の付録 |
・解説やリスニング付き →至れり尽くせり |
入試に絶対に必要なのが過去問ですが、高校入試では「東京学参」さんの過去問集を購入しておけば間違いありません。
出版社としてはそこまで大きくありませんが、1961年創業の老舗的な立ち位置で、個人的には高校入試の過去問業界で右に出るものはいないと考えています。
中身の紹介
中身については引用できるものが公式サイト、Amazon共になかったので、掲載はできませんでした。
しかし、中身は非常にシンプルで、各都道府県、高校の分析、問題、解答解説がシンプルに並べられている構成です。
また、答案用紙やリスニング音声は公式サイトからダウンロード可能なので、これは非常にありがたい。「骨董品」となりつつあるCDでリスニング音声を渡されても、「車でしか再生できない」ような家庭が増えつつあるので助かります。
(2024/11/22 21:43:00時点 Amazon調べ-詳細)
【英単語】でる順ターゲット
シンプル |
・例文付きでリスト化 →覚えやすい |
---|---|
出る順 |
・重要なものから →効率的に学習可能 |
充実の付録 |
・音声やアプリ付き →至れり尽くせり |
英語の勉強を効率的に進めたいなら「単語帳」があると良いでしょう。塾を使わない場合は単語を勉強する機会に恵まれないため、1冊用意しておくだけで学習効率は飛躍的に高まります。
候補は何冊か存在しますが、本屋さんでピンときたものを選べばそれでOK。ここでは、高校受験だけでなく大学受験でも定番とされる、旺文社さんの単語帳「ターゲット」を取り上げます。
シンプルで使いやすいのが最大のウリですね。私も高校生の大学受験時代に使っていました。
中身の紹介
中身については旺文社さんの公式サイトから引用をさせていただきました。
ご覧のように、単語のスペル、意味、そして例文の3点セットが並んでいるだけの、非常にシンプルな構成です。そして、単語を学ぶ順番が出る順、つまり重要度が高い順番で並べられており、レベルや段階に分けて使えるのが嬉しい。
また、ターゲットには専用のアプリが存在します。私のスマートフォンにもインストールされているため、実際の画像をお見せします。
まずこちらがトップ画面(左)と英単語のレベル選択画面(右)です。
トップ画面(左)を見てみると、英単語以外にも、以下の項目があるのがわかります。
- 英単語
- 英熟語
- 数学公式・解法
- 漢字・語句・文法
- 理科
- 社会
ご覧のように、高校受験用のターゲットにはこれだけの種類があり、また全てがアプリで連動しているため、英単語以外のものも揃えるのもアリです。
そして、英単語のレベル選択画面(右)では、レベル別に単語が分かれているので、レベル1からコツコツやっていきましょう。
レベルを選択すると、次に「出る順」で学習する単語を選ぶ画面(左)が表示されます。それぞれに星マークが用意されており、正答率が高いほど星がついていくシステムです。わかりやすいですね。
そして、右側にある画面が実際の単語学習画面です。スペルと音声再生ボタンが配置され、以下には選択肢が3つと「わからない」ボタンが配置。今回の場合は「clear」なので、「はっきりした」が正解です。
このように、アプリを使って学習の確認が可能なので、普段は本を使ってコツコツと暗記を進めていき、スキマ時間にスマートフォンで確認を進めていく流れが理想的。
それにしても、こんなアプリが無料で使えるなんて。今の中学生、本当に恵まれています。
【英語長文読解】「ハイパー英語教室中学英語長文」シリーズ
長文特化 |
・長文読解に特化 →効率良く対策可能 |
---|---|
読解 |
・読み方が学べる →大学受験レベルの高度な読解 |
手耳口 |
・手耳口で覚える →総合的に鍛えられる |
どこの公立入試でも、私立入試でも、高校受験英語は「長文読解」がカギです。長文読解が早く正確にできるかどうかで、英語の点数が大きく変わってくるため、上を目指す場合は長文に絞った対策が必要になります。
そこでおすすめしたいのが、こちらの「ハイパー英語教室中学英語長文」シリーズです。出版社は英語のエキスパート「桐原書店」で、著者は東進ハイスクールのレジェンド講師「安河内哲也」さん。
この最強タッグが高校受験業界に乗り込んできたということで、これを使わない手はありません。事実、品質も折り紙付きなので、本当におすすめの問題集です。
中身の紹介
中身の紹介は公式サイトから引用を行いました。
かなり変わった構成をしており、これこそが本書籍の最大の特徴であり、ウリです。詳細は以下を参考にしてください。
1:Let’s read! |
・長文問題の長文 ・実際の入試問題を採用 |
---|---|
2:Questions |
・長文問題の問題 ・実際の入試問題を採用 |
3:Answers |
・解答と解説 ・巻末ではなく単元ごとに |
4:Vocabulary |
・長文中の単語の意味を解説 ・チェックボックス付き |
5:Listen & Write! |
・アプリを使ったリスニング ・ディクテーションも可能 |
6:Read aloud! |
・音読ページ ・スラッシュリーディングの意訳付き |
ご覧のように、1つの単元が6つのパートから構成されています。
はじめは実際の入試問題を解いて、答え合わせまで行います(1:Let’s read!)。ここまでは普通の問題集と同じですが、すぐ次のページに解答解説ページが用意されています(2:Questions)。
ここですぐに丸つけを行い、次に単語や熟語、表現を解説するページをチェック(4:Vocabulary)。これこそがこの問題集の優れたところで、長文問題を解くごとに抜けていた単語を絞り込み、暗記することが可能。
そして、この後にリスニングと、音声を聞きながら耳に入った英語を書いていくディクテーションで耳と手を動かします(5:Liten & Write)。
極めつけは、最後に用意されている音読ページです(6:Read aloud)。このページでは、音読をしやすいように、英文にスラッシュ(/)が入っています。以下はその例です。
There are / a lot of restaurants / in Japan.
このように、意味の塊ごとにスラッシュが入ることで、音読がしやすくなることはもちろん、「英語を頭から読む」能力がつきやすくなります。
上記例の場合だと、普通は後ろから「日本には、たくさんのレストランがあります」と訳しますが、この訳し方だと一度目線を前から後ろまで持って行ってから、後ろから前に向かって訳さなければいけないため、往復する分だけ時間がかかってしまいます。
一方で、スラッシュリーディングの場合は、「ある/たくさんのレストランが/日本に」と日本語を読むのと同じように前から順番に訳せるため、往復ではなく「片道」で問題ありません。
このスラッシュリーディングを練習できるのがこの問題集の最も素晴らしいところであり、私が押している部分でもあります。ほぼ全ての子の英語の授業に使用しているため、英語の実力を少しでも上げたいなら、必ず用意をしておきましょう。
(2024/11/23 07:59:36時点 Amazon調べ-詳細)
【一問一答】高校入試 5科 一問一答
1冊で完結 |
・5教科を1冊でカバー →どこでも身軽に要点整理 |
---|---|
全レベル対応 |
・一問一答は全レベルに必要不可欠 →全受験生必携の1冊 |
見やすい |
・全ページカラー刷り →見やすくわかりやすい |
意外と盲点になりがちなのが「一問一答系の問題集」です。一問一答は基礎の確認から定着まで幅広く対応し、さらに用語説明問題などの対策にもなります。
まさに「やったもん勝ち」なのですが、意外と塾関係者はおろそかにしがちです。地味ですし、「わざわざ塾でやる必要もない」って思うのかもしれませんね。
さて、正直に言うと、一問一答系の問題集は各社から同じようなものが出ているので、好みのものを選んでもらえれば良いのですが、個人的なイチオシが受験研究社さんのこの1冊です。
中身の紹介
早速中身を紹介しましょう。まずは上記画像が目次になっていますが、国数英理社の5教科がしっかり掲載されているのがわかりますよね。
特に一問一答対策が必須な理科と社会の比重が大きく、理科は44、社会は52単元に分けられています。一方で、数学と英語は26、国語は20と抑えめで、必要な科目に必要な分をしっかり配分。好感が持てます。
そして、こちらの画像は社会のページです。見開きで2単元が用意されていて、ご覧のように、しっかりとイラストや地図がフルカラーで描かれています。わかりやすい!
また、解答部分は赤シートで隠れるようになっているので、暗記に一役買ってくれるはずです。
一問一答に必要なものを過不足なく詰め込んだ完成度の高い一冊なので、他の問題集と一緒にぜひご用意してみてください。
(2024/11/23 07:59:37時点 Amazon調べ-詳細)
塾なし高校受験を問題集で乗り切る方法
かなり長くなりましたが、以上が塾なし高校受験におすすめな問題集の全てです。
本当はもっともっと色々な問題集、参考書を紹介したいところですが、紙面が足りませんでした。
さて、以上の問題集をしっかり使い切れれば、塾なし高校受験もスムーズに乗り切れる可能性が高くなりますが、問題集をただやっていくだけでは効果的な勉強にならないのもまた事実。
ここからは、塾なし高校受験を問題集で乗り切る方法について解説していきます。ラインナップは以下の通りです。
- 「苦手・わからない」を放置しない
- 独学を進められる環境を作る
- 学習計画を見積もっておく
どれも大切なポイントなので、順番にチェックしていきましょう。
「苦手・わからない」を放置しない
勉強を進めていたら、誰しもが苦手な部分やわからないところが出てきます。
もし、塾に通っている場合は「ここがわかりません」と質問をすれば教えてくれますが(実際に質問をする子はほとんどいない)、塾なしの場合は頼れる人がそばにいないことが多いため、放置しがちです。
そんな時の対策は以下の通り。
学校で質問 |
〇:完全無料 △:先生の当たり外れがある |
---|---|
親が対応 |
〇:完全無料 △:全教科対応は難しい |
動画の活用 |
〇:全教科リアルタイムで対応 △:無料ではない |
この中でも特におすすめなのが「動画の活用」です。
動画でサクッと対策するのもアリ
私は現役のオンライン家庭教師として、お金をもらって授業を行っています。そんな身分なのであんまり大きな声では言えませんが、「問題集と動画を使った勉強方法がコスパ最強」です。
具体的には、以下のようなサイクルを回して勉強を進めていきます。
- 問題集を進めて苦手を見つける
- 苦手な単元の動画を視聴する
- 苦手な単元の類題を解く
これをやれば、どんな子でも、どんなレベルでも、絶対に成績、点数は上がります。
使用するのは、授業を受けさせられる塾や家庭教師ではなく、あくまで「動画教材」に絞りましょう。有名どころで言えば「スタディサプリ」とかが該当しますね。
スタディサプリには、各単元に解説動画が用意されているのは当然のこと、類題も豊富に揃えられています。まさに「塾なし受験生にもってこい」のサービスなので、一度体験でも良いので利用してみてください。
独学を進められる環境を作る
塾なしでの高校受験は孤独です。そこには、勉強の邪魔をしてくる人もいなければ、支えてくれる人も多くありません。
独学でコツコツ地道に勉強を進めていくので、「環境づくり」が非常に大切です。
「頑張れる場所」があるとガラッと変わる
独学で高校受験、大学受験を乗り切った経験から言えることの1つに、「頑張れる場所」の存在があります。
私の場合は、自宅の自室こそが頑張れる場所でした。これは非常に幸運なことで、自宅にいるだけで勉強が進められます。図書館に自転車で行く必要もなく、マクドナルドやファミレスに行く必要もなく、ただ自宅の机に向かえば勝手に勉強をやる気になる。
このおかげで、私は受験生活から10年以上経過した今もなお、仕事などの全てを自室の机でフルリモートで行なっています。この記事を書いているのもまさに、自室の机の上であり、受験の経験は、このように今後に生きてくるのです。
と、少し話がそれましたが、私のように自宅でなくても構いません。経験上、自宅で勉強ができるのは本当に珍しく、大体の子は「家はダラける場所」と脳にインプットされてしまっています。
こういう場合は、無理に家庭学習を習慣化させようとはせず、「自宅以外の場所」を頑張れる場所として見つけてみましょう。
代表的な頑張れる場所は以下の通り。
- 学校の放課後の教室
- 図書館
- ファミレスやカフェ
特におすすめなのはやっぱり図書館ですね。私も気分転換によく利用していましたが、市内の違う学校の同級生?が毎日のようにそこで勉強していて、良い刺激になりました。話したことはなかったですが、間違いなく彼は戦友でした。
学習計画を見積もっておく
塾なし、問題集だけで勉強を進めていく場合、学習計画を見積もることが非常に大切です。
とはいうものの、塾なし、しかも子どもが計画を見積もるわけですから、計画通りに行くことはほとんどありません。
大抵の場合、計画がどんどん後ろに回されていき、計画を立てた意味がなくなってしまうところまでがワンセット。毎年、多くの塾なし受験生が同じことをして苦しんでいることでしょう。
目次を使った大雑把な計画でOK
正直に言うと、学習計画は塾講師や家庭教師といったプロでも立案するのが難しいです。
子どもの心なんて、本人だって100%は理解できていないのですから、他人である私たちが管理できるわけがありませんよね。頑張って緻密な計画を立ててもカオスになるのが目に見えているので、「大雑把な計画」を立てることにしています。
具体的には、問題集の目次を使った計画表です。以下は、おすすめ問題集の中でも紹介した「ハイパー英語教室中学英語長文」シリーズの目次です。
この問題集は、ご覧のようにUnitと呼ばれる単元が25個で構成されています。これをもし夏休み中に終わらせたかったら、このように「1週間ずつで4分割」すればある程度スケジュールが把握しやすいです。
「これでは大雑把すぎるのでは?」と考えるかもしれませんが、1日単位で書き込んだとしても、体調不良や気分、さらには親戚の突然の訪問などで、必ず勉強できないタイミングがやってきます。
そうなった時に、1日単位でスケジューリングしている場合はズレが生じ、また最初から計画の立て直しです。効率が悪いことは明らかですね。
こういったことを織り込んだ上で、大雑把にスケジューリングすることが何よりも大切。もちろん、これが正解というわけではありませんので、ご家庭やその子に合った方法で計画を立ててみてくださいね。
まとめ
塾なし高校受験は「どんな問題集を使うのか」で大きく左右されます。
レベルや性格によって使うべき問題集は変わってくるので、この記事で紹介したものを参考にしてみてください。